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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

症例報告

L型らい(Multibacillary Leprosy)の1例

著者: 石河亜紀子1 清水宏1 原田敬之1 西川武二1 左奈田精孝2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2国立療養所多磨全生園皮膚科

ページ範囲:P.1099 - P.1103

文献概要

 31歳,在日フィリピン人男性.2年前,左上腕に自覚症状のない丘疹が出現,漸次拡大し手掌大の局面となった.3カ月前,全身に暗赤色の結節が多発してきた.皮疹部に一致して著明な知覚鈍麻あり.皮疹部穿刺液スメアーのZiehl-Neelsen染色標本にて,多数のらい菌を認めた.生検皮膚HE標本では表皮直下にsubepidermalclear zoneを,その下層から皮下組織に至るまでリンパ球・泡沫状の細胞質を有する組織球様細胞主体の稠密な細胞浸潤を認める.組織球様細胞の胞体内には多数のZiehl-Neelsen染色陽性桿菌を認める.電顕的にも組織球様細胞のライソゾーム内に細胞内寄生の形で存在するらい菌が観察され,菌周囲にはfoam spaceが存在した.DDSにて治療を開始したところ,Ⅰ型反応(reversal reaction)を生じたため,プレドニゾロンの投与に変更し,皮疹は扁平化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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