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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

症例報告

足底慢性膿皮症より生じた有棘細胞癌の1例

著者: 安達智江1 斎藤次郎1 江口奈緒美1 寄藤和彦1 小林まさ子1 藤田優1

所属機関: 1千葉大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1121 - P.1123

文献概要

 46歳,男.農業に従事している.約5年前より左踵部に角化性変化を生じた.3年前より排膿を繰り返し,半年前より同部が隆起してきた.皮膚生検にて一部に有棘細胞癌(以下SCC)を認め,術前化学療法と腫瘍切除術を施行した.足底踵部という部位の特殊性のため,再建はmedial plantar flapにて行った.組織学的に上皮様の嚢腫壁が不規則に陥入して瘻孔を形成し,その下方に連続してlow grade-SCCを認めた.外傷などによる表皮迷入により発生し,歩行などの物理的刺激が加わるうちに複雑な瘻孔を形成して慢性膿皮症の状態となり,さらには悪性化を来すに至った症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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