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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻12号

1993年11月発行

文献概要

治療

放射線療法が奏効した木村病の1例

著者: 伯野めぐめ1 海老原全1 仲弥1 原田敬之1 増田光喜2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2荻窪病院皮膚科

ページ範囲:P.1129 - P.1132

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 44歳,女の左頸部,右肘窩,右前腕,左大腿に皮下腫瘤が多発した木村病の1例を報告した.組織学的に,皮下組織にリンパ濾胞様構造の新生と,多数の好酸球,リンパ球の浸潤を認め,血液所見にて,末梢血中白血球数増多,好酸球数増多および血清IgE高値を示した.治療は,右前腕の腫瘤にステロイド局注を,左大腿の腫瘤にX線照射を試み,両者とも腫瘤縮小に有効であったが,ステロイド局注部では,1カ月後に再発を認めた.X線照射部では,現在のところ再発を認めておらず,放射線治療は,適応を慎重に考慮すれば,木村病に対する治療法の一つとして,今後試みるべき価値があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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