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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

原著

妊娠性疱疹—自験例の報告と本邦報告例の検討

著者: 加倉井真樹1 鈴木正之1 佐藤俶也2 原田重徳3 矢尾板英夫1

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室 2佐藤皮フ科クリニック 3シオノギ医科研

ページ範囲:P.1161 - P.1167

文献概要

 妊娠性疱疹の1例を報告し,あわせて本疾患と類天疱瘡との関係について考察を試みた.症例は43歳,女性.妊娠6週頃,瘙痒性浮腫性紅斑出現し,徐々に増数拡大し,緊満性水疱を形成するようになった.組織学的には表皮下水疱で,蛍光抗体直接法では基底膜部にC3とIgGの沈着をIgG subclassはIgG1, IgG2, IgG4の沈着を認めた.間接法ではIgG classの抗基底膜抗体を認め,さらに補体結合価は5倍まで陽性であった.抗原の分子量は180kDであった.患者血清よりIgG subclassを分離精製したところIgG1,IgG2,IgG3,IgG4に抗基底膜抗体が認められ,その補体結合能を調べたところIgG1に補体結合能を認めたが,他のIgG subclassには補体結合能が認められなかった.妊娠9週目,稽留流産のため子宮内容除去術を受けたが皮疹は増悪した.プレドニゾロン50mg/日を内服し,その後皮疹は徐々に改善した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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