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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

今月の症例

外陰部Bowen病,Bowenoid Papulosis,尖圭コンジロームが混在した1例

著者: 新関寛徳13 小野寺有子1 増田光喜1 清水宏1 本田まりこ2 新村眞人2 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東京慈恵会医科大学皮膚科学教室 3北里研究所病院皮膚科

ページ範囲:P.1175 - P.1180

文献概要

 Bowen病(BD),Bowenoid papulosis(BP),尖圭コンジローム(CA)が同時期に外陰部に出現した42歳女性例を報告した.BPとCAでは電顕的にウイルス様粒子を認め,PAP法による乳頭腫ウイルス抗原の検索でも陽性所見を得たが,BDでは両者とも陰性であった.Southern blot hybridization法,in situ hybridization法,PCR法を用いたHPV-DNAの検索では,各々の皮疹よりウイルスDNAを検出したが,HPV−1,−2,−6,−11,−16,−18,−31,−33,−35,−51型DNAのいずれの型別も同定できなかった.本症例はオーバーラップ症候群のためのステロイド剤,免疫抑制剤を内服中であり,免疫抑制状態にあった.このような状態がBPの悪性化,あるいはBDの合併に関与した可能性が考えられ,同様の症例の診察,経過観察にあたっては皮疹の悪性化も考慮する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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