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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

症例報告

サルコイドーシスを合併した強皮症の1例

著者: 黒須まゆみ1 清島真理子1 森俊二1 諏訪哲也2 森田浩之2 武田則之2

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室 2岐阜大学医学部第3内科学教室

ページ範囲:P.1191 - P.1194

文献概要

 52歳男性にみられた強皮症とサルコイドーシスの合併例を報告した.15年前よりRaynaud症状出現.10年前より両前腕に鱗屑を伴った紅斑が出現し,2年前に羞明に気づいた.当院第3内科に入院し,経気管支肺生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断した.眼科所見では,前房炎,硝子体混濁,血管炎を認めた.また,手指から手背にかけての浮腫性腫脹と強指症,手背から前腕の皮膚硬化がみられ,抗核抗体(centromere type)は1280倍と陽性を示した.前腕伸側の病理組織像では,膠原線維の均質化および小血管壁の肥厚が認められ,また真皮上層に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞から成る肉芽腫がみられることから,サルコイドーシスを合併した強皮症と診断した.膠原病とサルコイドーシスの合併は,共に免疫異常を示す点で何らかの関連があると思われたので,若干の文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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