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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

症例報告

コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムによる薬疹の2例

著者: 新井雅明1 石田卓1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1195 - P.1198

文献概要

 コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル・メドロール®)によるまれな薬疹の2例を報告した.症例1は41歳の女性で顔面神経麻痺のためソル・メドロール®を点滴投与開始(240mg/日より漸減)11日後に,顔面,頸部,胸部を中心に爪甲大の紅斑を生じた.症例2は56歳の男性で突発性難聴のためソル・メドロール®を点滴投与開始(1000mg/日より漸減)8日後に全身に爪甲大の紅斑を生じた.2例ともソル・メドロール®の点滴による再投与試験で紅斑が再現された.症例2は,6位のメチル基がないプレドニゾロンや,21位のコハク酸エステルがないメチルプレドニゾロン,またコハク酸エステルをもつ他のステロイドでは再投与試験陰性であり,ステロイド骨格構造やコハク酸エステル部分といった部分的な構造ではなく,コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムの全体的構造がその抗原性と関連していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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