icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

文献概要

症例報告

高IgE症候群の成人例

著者: 石井清英1 山田裕道1 鈴木光子2 高森建二3 小川秀興3

所属機関: 1国際親善総合病院皮膚科 2国際親善総合病院呼吸器内科 3順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1203 - P.1207

文献購入ページに移動
 高IgE症候群の成人例(32歳男性)の皮膚症状を中心に報告した.本例は21年にわたり小児科医によってfollow upされていたが,繰り返す慢性気道感染症による呼吸不全のため,当院に入院し気道感染対策を主とする治療を行った症例である.皮膚症状としては,爪カンジダ症,舌カンジダ症,足白癬などの真菌症,呼吸不全に続発したばち状指,弾力性に富む皮膚の過伸展が認められた.慢性湿疹様の皮疹および黄色ブドウ球菌の皮膚感染症は成人後は著明に減少したという.免疫学的には血清IgE高値(4988IU/ml),IgE RASTスコアはカンジダ,アスペルギルスなどの真菌で高値を示した.好中球機能検査においては,患者好中球の走化能の低下,患者血清中の好中球走化能抑制因子の存在が示され,本症の病態との関連が示唆された.その他血中ヒスタミン濃度の上昇,顆粒球由来エラスターゼの上昇などが認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?