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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

症例報告

多発性骨髄腫に併発した帯状扁平苔癬の1例

著者: 石黒和守1 天井周1 石田久哉1 法木左近2 上田恵一1

所属機関: 1福井医科大学皮膚科学教室 2福井医科大学病理学第1教室

ページ範囲:P.1209 - P.1213

文献概要

 83歳,男.多発性骨髄腫(IgM,κ型)の経過中に右大腿後面に幅2.0〜5.0cmの3条の扁平に隆起した局面が出現.臨床的ならびに組織学的所見より帯状扁平苔癬と診断した.自験例の特徴としては,①線状および帯状扁平苔癬の報告の多くは皮疹の幅員の増減はあるが,ほぼ1条の配列をとるものであるのに対し,本症例は3条の帯状の皮疹が融合した特異な臨床像を示したことより,線状苔癬および炎症性線状疣状表皮母斑との鑑別診断を要した.②皮疹がBlaschko割線とほぼ一致した走行を示したことよりその意義について述べた.また③多発性骨髄腫の併発と扁平苔癬の発症機序について文献的考察を加え,これらの3点について若干の卑見を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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