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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻13号

1993年12月発行

症例報告

幼児の虫垂炎術後に生じた脂肪肉芽腫

著者: 浅越健治1 妹尾明美1 荒川謙三1 荒田次郎1

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1223 - P.1225

文献概要

 4歳,女児.急性虫垂炎術後に発熱と同時に下腹部,両季肋部に発赤・圧痛のある皮下硬結が出現した.抗生剤投与で炎症所見は改善したが下腹部に索状硬結が残存し,同部に波動を触れたため穿刺したが排膿はなかった.穿刺部より黄紅色・肉芽様軟腫瘤が隆起拡大したため当科を受診した.血清アミラーゼ,リパーゼ値は正常.組織所見では好中球,組織球,リンパ球を中心とする多彩で密な細胞浸潤がみられ,巨細胞の出現,脂肪融解の像も認められた.外科的に全摘出し,その後再発は認めていない.虫垂炎もしくは手術と関連した脂肪織炎,およびその結果としての脂肪肉芽腫と診断したが,原因を特定することはできなかった.外科的手術に関連した脂肪肉芽腫について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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