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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻3号

1993年03月発行

症例報告

選択的IgM欠損症を伴った全身性エリテマトーデス

著者: 佐々木哲雄1 伝寶憲一1 高橋一夫1 中嶋弘1 亀田洋2

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室 2亀田病院皮膚科

ページ範囲:P.249 - P.252

文献概要

 27歳,女性の全身性エリテマトーデス(SLE)患者で,選択的IgM欠損症,リウマトイド疹,掌蹠膿疱症(PPP)を伴った1例を報告した.SLEは初診の半年前Raynaud現象と手指の凍瘡様皮疹で発症し,頬部の紅斑,関節炎,白血球およびリンパ球減少,抗核抗体高値,抗DNA抗体,抗Sm抗体陽性,血清補体低値,免疫複合体高値などから診断した.血清IgM低値(25〜50 mg/dl),IgG, IgA, IgE高値が持続したが,血小板減少はなく,選択的IgM欠損症と思われ,扁桃炎,リンパ節腫大,アレルギー性鼻炎もそれに伴う症状である可能性が考えられた.また,発熱とともに各所に淡い紅斑が出現し,Still病の際にみられるリウマトイド疹に最も近い皮疹であった.さらに,初診の2.5年前からPPPと思われる皮疹もみられている.金属パッチテスト陰性,ASO正常で,PPPを広義のリウマチ性疾患として扱う考えを支持する症例とも考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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