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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻3号

1993年03月発行

文献概要

症例報告

好酸球性膿疱性毛嚢炎と好酸球浸潤を伴う毛包性ムチン沈着症との異同について

著者: 足立厚子1 谷昌寛1 東川俊昭

所属機関: 1神戸大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.265 - P.268

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 毛包にムチン沈着を伴う好酸球性膿疱性毛嚢炎(EPF)の1例と好酸球浸潤を伴う毛包性ムチン沈着症(FM)の1例を報告し,臨床的・病理組織学的特徴ならびに種々の治療に対する反応性などにつき,比較検討を行った.臨床像ではEPFは中心治癒傾向のある紅斑と毛包一致性の無菌性膿疱が特徴である.一方,FMでは膿疱は認めず,また紅斑の中心治癒傾向も認めない.病理組織像ではEPFは好酸球を主体とする著明な細胞浸潤を上部毛包に一致して認め,毛包の破壊および好酸球よりなる膿瘍形成を上部毛包に認めるのが特徴である.FMでは膿瘍の形成を認めることはなく,細胞浸潤も毛包の中部から下部が主体であることから鑑別できる。しかし,EPF,FMともにDDS,インドメサシン,塩酸ミノサイクリンなどの治療法が同様に効果を示すことから,同一の発症機序により生じる一連の疾患である可能性も否定できないと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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