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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻3号

1993年03月発行

症例報告

色素性Bowen病の2例

著者: 赤坂俊英15 今村優子1 冨地信和2 鎌田満2 小川婦美子3 佐藤雅子4

所属機関: 1岩手県立中央病院皮膚科 2岩手県立中央病院病理科 3小川皮膚科医院 4佐藤皮膚科医院 5岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.299 - P.302

文献概要

 69歳男性の右肩甲部および62歳女性の腰背部に生じた単発性の色素性Bowen病の2例を報告した.2例ともに陰部外発生例で,また日光非露出部であることから,ボーエノイドパプローシスや,色素性日光角化症は否定し得た.Bowen病巣下の真皮の密なリンパ球浸潤を伴ったメラニン色素の著明な滴落現象と,腫瘍基底層細胞のメラニン顆粒の増生,一部腫瘍細胞との共生メラノサイトの存在が腫瘍の黒色を呈した組織学的理由を考えた.また,色素性Bowen病はメラノサイトと腫瘍細胞の共生の機序を考える上で興味ある腫瘍であり,Bowen病の一異型として注目するべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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