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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

原著

Lichen Purpuricus—病理組織学的検討

著者: 太田幸則1 米元康蔵1 西山茂夫1 新井春枝2

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室 2大和市立病院皮膚科

ページ範囲:P.329 - P.333

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 今回我々は臨床的にlichen purpuricusと思われた4症例を経験し,その組織反応に注目した.臨床的には出血に伴い生ずる黄色から暗赤色までの色調を呈する丘疹が主として下肢に集簇あるいは融合し小局面を形成し,組織学的には真皮上層の帯状の細胞浸潤および出血を認めた.真皮浸潤細胞と表皮の間の正常部は必ずしも明らかではない.浸潤細胞の中には多数の組織球系細胞を認め,一部では赤血球を貪食しているもの,巨細胞の形態をとるものもみられた.これらの組織学的所見から慢性に経過するlichen purpuricusの病変形成には組織球,マクロファージの関与が重要と考えられた.本症の病態には血管外へ遊出した赤血球の処理過程における障害の可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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