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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

原著

Eruptive Keratoacanthoma—1例報告ならびに文献的考察

著者: 持田耕己1 吉池高志1 相川洋介1 高森建二1 小川秀興1

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.339 - P.344

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 69歳男.家族歴なし.炭抗夫・プラスチック加工の職歴.1年前より顔面・頸部を中心とする200個に及ぶ毛孔一致性の角化性小結節が多発.粘膜疹はないが,瘙痒あり.Multiple biopsyにて有棘細胞癌に似た病理組織像を示す部分もあるものの,組織構築はすべてkeratoacanthoma様であった.以上からeruptive kerato—acanthomaと診断し,大なるものについては切除・液体窒素療法などを行った.放置せるもののうち若干については自然消褪傾向を示した.自験例は本邦2例目,世界11例目に当たり,極めてまれな疾患である.過去の報告例のまとめでは,①小型腫瘤が数百〜数千個出現,②出現範囲も広汎で顔面・頸部のみならず掌蹠や粘膜にも生じる,③痒みを伴うなどが特徴である.④自然消褪傾向に関しては当初強調されたほどには認められていなかった.病因としては,非露出部にも出現すること,毛嚢付属器の発達した部位にも出現することから,carcinogenへの曝露を最も疑った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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