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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻4号

1993年04月発行

文献概要

原著

B細胞性リンパ腫—生前に心膜転移を診断し得た1例

著者: 樽谷勝仁1 小澤健太郎1 磯ノ上正明1 東山真里1 滝尻珍重1 山村弟一1 橋本公二1 吉川邦彦1

所属機関: 1大阪大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.345 - P.350

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 生前に心膜転移を診断し得たB細胞性リンパ腫の1例を報告する.症例は58歳,男性.全身に多発する浸潤性紅斑を主訴として当科受診.皮疹生検の結果non—Hodgkin-lymphoma,diffuse large cell typeと診断された.皮膚生検組織の細胞表面マーカーの免疫組織学的検索ではT,B細胞の特定はできなかったが,サザンプロット法によるDNA解析の結果B細胞性であることが確認できた.入院時右肘部リンパ節腫脹,発熱,全身倦怠感の他に奇脈,心電図上低電位,X線上心拡大を認め心エコー検査にて心タンポナーデと診断し,心嚢穿刺施行.穿刺液の細胞診にて腫瘍細胞の浸潤が確認された.また胃粘膜生検および骨髄穿刺検査にて腫瘍細胞の浸潤を認め,臨床病期分類はstage IV Bと考えられた.心嚢液内にメトトレキサート注入後VEPA変法1クール行い,心タンポナーデは改善したが,その後治療に反応せず,確定診断後約4カ月で死の転帰をとった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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