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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻4号

1993年04月発行

症例報告

カルシウム拮抗剤投与により皮疹の増悪をみた乾癬の1例

著者: 斎藤すみ12 早川広樹1 影山恵1 相原道子1 池澤善郎1 中嶋弘1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室 2横浜市立大学附属浦舟病院皮膚科

ページ範囲:P.361 - P.364

文献概要

 カルシウム拮抗剤のニフェジピン,ニソルジピン投与により皮疹が悪化し,投与中止により軽快した乾癬の症例を経験した.56歳,男.約10年前より高血圧症にて加療中であった.約6年前より乾癬と思われる皮膚症状があった.高血圧症と糖尿病の治療薬を服用中に皮疹が著明に悪化し,治療のために入院した.ニフェジピンを含む服用薬剤の中止により軽快していたが,薬剤の再投与により皮疹の悪化が見られれた.その後,内科よりニソルジピンを投与されたところ,皮疹はやはり拡大,増悪した.同じカルシウム拮抗剤である塩酸ジルチアゼムの中止では明らかな軽快傾向は見られず,さらにその再投与により皮疹の悪化は見られなかったが,ニフェジピンに構造式が極めて類似したニソルジピンの投与により皮疹の著明な悪化が見られた.したがって,自験例においては薬剤間の交差反応が示唆されたことより,カルシウム拮抗剤の持つ薬理作用のみならず,薬剤アレルギーの関与が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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