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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻4号

1993年04月発行

症例報告

フルコナゾールが奏効した原発1生皮膚クリプトコックス症の1例

著者: 能川昭夫13 富中和夫1 藤田幸雄1 宇賀治陽一2 宮崎良一2

所属機関: 1藤田記念病院皮膚科 2藤田記念病院内科 3金沢大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.383 - P.386

文献概要

 原発性皮膚クリプトコックス症の1例を報告した.症例は57歳,女性.初診の20日前外傷後に左第3指末節腹に硬結が生じた.その後左前腕伸側に小丘疹が散在性に出現した.病理組織像は指・前腕ともに慢性肉芽腫様病変があり,周囲に明るい空隙を伴ったPAS陽性の胞子状菌要素を少数認めた.指・前腕の生検組織のサブローブドウ糖寒天培地による培養にて酵母様菌が分離された.それぞれの分離株は同一菌種でCryptococcus neoformans serotype Dと同定できた.喀痰,尿,脊髄液からの培養はすべて陰性であった.C.neoformansに対する抗原は検出されず,抗体価は4倍であった.12週間のフルコナゾール投与により,瘢痕治癒状態になった.左前腕の皮疹は左第3指の原発巣からのリンパ行性播種によるものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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