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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻4号

1993年04月発行

症例報告

特異疹を伴ったCD8陽性T細胞性慢性リンパ性白血病の1例

著者: 原田鐘春12 伊丹聡巳1 板村論子1 橋本透1 森本照子1 谷岡栄1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室 2東京慈恵会医科大学第三病院皮膚科

ページ範囲:P.411 - P.414

文献概要

 浸潤性紅斑を呈したT細胞性慢性リンパ性白血病(T-CLL)の1例を報告した.症例は48歳,男性.平成2年4月発熱,鼻出血,右下腹部痛で発症.WBC212,900/μl.当院第三病院内科にてATLの疑いにて直ちに化学療法(LSG−4)施行.平成3年2月より維持療法が行われ寛解状態であったが,8月より白血球の増加とともに全身に浸潤性紅斑が播種状に多発.ステロイド全身投与により消退するも皮疹は2度再発した.表在性リンパ節腫大.末梢血中にはflower細胞類似の異型リンパ球が多数出現.末梢血リンパ球は,CD3(+),CD4(−),CD8(+)で成熟でsuppressor/cytotoxicの表面形質を発現した.抗HTLV−1抗体,proviral DNAは陰性.紅斑部の病理組織学的所見では,真皮の血管,付属器周囲性にCD 3(+),CD 4<CD 8,CD 25(−)の異型リンパ球浸潤.リンパ球の表面形質と予後の関連につき文献的に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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