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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻5号

1993年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993 I 最近話題の疾患

最近わが国でみられるAIDSの皮膚症状(Part2)

著者: 赤城久美子1 山田宏司1 関藤成文1 根岸昌功2 味澤篤2 増田剛太2 前田義治3

所属機関: 1東京都立駒込病院皮膚科 2東京都立駒込病院感染症科 3東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.7 - P.11

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 わが国のAIDS患者は最近急速に増加しており,異性間性的接触による感染者の拡大が特に懸念されている.都立駒込病院でのAIDS発症患者は1992年11月現在70名となったが,最近経験した3例を簡単に症例報告とした.カポジ肉腫(KS)症例は最近増加し16例となった.特にKSでAIDSが発症した例は44%あり,早期診断が大切である.剖検で悪性リンパ腫の発生率の高さが目立ったが,皮膚に発生する例は少ない.皮膚粘膜感染症は特に多くなく,当院ではヘルペス感染症,カンジダ症,白癬菌症,伝染性軟属腫,湿疹への二次的細菌感染,疥癬等で数年前から大きな変化はない.日本人AIDS患者の脂漏性皮膚炎は少なく軽症であるが,重症例を経験したので症例2に記載した.薬疹はST合剤の使用が減って,遭遇することが少なくなった.他に全身の色素沈着,魚鱗癬様皮膚の患者等を経験している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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