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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻5号

1993年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993

I 最近話題の疾患

Cutaneous leishmaniasis

著者: 元木良和1 金子史男1 片倉賢2 永倉貢一3

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室 2東京慈恵会医科大学寄生虫学教室 3東海大学医学部生体防御機構系感染症学

ページ範囲:P.17 - P.20

文献概要

 Cutaneous leishmaniasisの1例を報告する.患者は27歳の日本人男性で,1988年北アフリカのモロッコに測量技師として派遣され,屋外作業に従事していた.1990年9月,右肘など3か所に浸潤性紅斑を生じた.1991年1月,本症としてアンチモン製剤による治療を受けたが治癒せず,同年7月帰国し,当科を受診した.組織は類上皮細胞性肉芽腫で,組織球にamastigote型原虫を認めた.生検組織の培養によりprornastigote型虫体の鞭毛運動を確認した.Amphotericin Bの点滴静注を行ったが副作用のため中止し,皮疹の切除植皮術を行った.1年余り経過した現在,再発なく健在である.モロッコなど,サハラ砂漠の北に位置する北アフリカ,中近東,インド,南米の諸国では本症の発生が見られるので,長期滞在者は感染に注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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