文献詳細
文献概要
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993 IV 治療のトピックス
活性酸素抑制剤の臨床応用
著者: 宮地良樹1
所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.141 - P.145
文献購入ページに移動 皮膚における炎症,発癌,老化の各領域で活性酸素や過酸化脂質の果たす病因的な役割が1980年代までに明確にされた結果,1990年代は,これらの酸化ストレスに対応すべく,各種抗酸化物質の実用化に向けた開発が期待される.皮膚科医は,すでに経験的に抗酸化剤を臨床応用してきた経緯もあり,また,皮膚というdrug deliveryにきわめて好適な臓器を対象とすることから,抗酸化剤の臨床応用は,皮膚科領域が先行すべきと考えられる.従来より用いられてきたβカロテンなどのビタミン剤やダプソンなどの抗菌剤に加えて,SODをはじめとする抗酸化酵素剤や天然型抗酸化物質についての新知見を紹介するとともに,内因性抗酸化能賦活剤や生体遷移金属キレート剤などの試みについても言及し,今後の抗酸化剤の臨床応用の展望を述べた.
掲載誌情報