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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻5号

1993年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1993

IV 治療のトピックス

肝斑の治療

著者: 東禹彦1

所属機関: 1市立堺病院皮膚科

ページ範囲:P.149 - P.152

文献概要

 抗プラスミン剤であるトラネキサム酸を肝斑患者22名に対し,1日750〜1500mg経口投与した.内服開始2〜3カ月後には色素沈着はかなり改善し,6カ月〜1年投与を継続した症例では色素沈着がほとんど消失する例も認められた.投与を中止すると2〜3カ月後には色素沈着を認めるようになった.色素沈着が著明に減少したのは6例,かなり減少したのが14例,やや淡くなったのが2例であった.トラネキサム酸の外用療法も有効であるが,今後至適濃度の検討を行う予定である.トラネキサム酸は雀卵斑や老人性色素斑に全く無効である.したがって,トラネキサム酸の効果はメラノサイトやメラニン色素に対する直接的な作用ではなく,おそらく抗プラスミン作用によるものではないかと思われる.副作用も少なく,肝斑に対して試みるべき治療法と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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