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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻6号

1993年05月発行

文献概要

原著

Steatocystoma MultiplexとEruptive Vellus Hair Cysts—防衛医科大学校皮膚科教室例の検討

著者: 野口博光1 近兼健一朗1 比留間政太郎1 石橋明1

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学教室

ページ範囲:P.443 - P.447

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 1981年1月から1991年12月までの11年間に当教室においてsteatocys—toma multiplex(SMと略す)およびeruptive vellus hair cysts(EVと略す)と診断された14例について,臨床所見および病理組織学的所見を検討した結果,SMとEVの合併が2例(症例1および11),嚢腫壁はanagen型の角化様式を示したが総合的にEVと診断された症例が1例(症例13),臨床的にEVが疑われたが組織学的にほぼSMであったものが1例(症例14)存在した.これらの成績は,組織発生学的にSMとEVを同一スペクトルム上に位置づけられる毛包漏斗部由来の嚢腫とみなす最近の考えに符合した.SMはその中で脂腺導管部付近に由来する一典型,EVは毛包漏斗部上部に由来する一典型で,非典型例は,2種類の嚢腫のhybridとも考えられるが,遺伝的に単一な毛包由来の嚢腫で表現型に幅があるために,種々の臨床ならびに組織学的所見を示すのかもしれないし,逆にそれぞれに遺伝的異質性あるいは表現型模写が存在する可能性も否定しきれない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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