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症例報告
有棘細胞癌様の表皮増殖を伴つた悪性黒色腫の1例
著者: 田村敦志1 石川英一1
所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.505 - P.508
文献購入ページに移動 66歳,男性.36歳頃,左足底の黒褐色斑に気づいた.初診3カ月前より同部が隆起し,周囲へ色素斑が拡大してきたため,当科を受診した.臨床所見より悪性黒色腫と診断し,入院,原発巣切除および予防的鼠径リンパ節郭清術を施行した.切除標本の組織像は表皮真皮境界部から皮下脂肪織にかけて,メラニンを豊富に含む異型性のある紡錘形の腫瘍細胞が浸潤性に増殖していた.さらに,腫瘍細胞とともに被覆表皮が角質真珠を伴い,不規則索状ないし島興状に増殖し,一見,有棘細胞癌様の組織構築を示した.しかし,表皮細胞に異型性は認めなかった.被覆表皮の増殖を伴った悪性黒色腫につき文献を検討し,若干の考察を加えた.
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