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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻7号

1993年06月発行

原著

高齢者のCutaneous T cell Lymphomaの2例に対するTHP-COP-E療法について

著者: 飯島茂子13 猪股出2 大塚藤男3 渋谷彰4

所属機関: 1水戸赤十字病院皮膚科 2水戸赤十字病院泌尿器科 3筑波大学臨床医学系皮膚科学教室 4筑波大学臨床医学系内科学教室

ページ範囲:P.549 - P.554

文献概要

 症例1:68歳男性,II B期;症例2:75歳女性,II A期のcutaneous T celllymphomaの化学療法として,THP-COP療法,さらにetoposideの少量持続経口投与を加えたTHP-COP-E療法(CHOP療法の変法)を試みた.症例1は狭心症の既往のある患者で,anthracycline系薬剤を総計710mg(ADM250mg,THP460mg),症例2は心肥大の既往のある患者で,THPを総計585mgを使用したが,全経過を通して,心不全徴候や心電図異常など心毒性を疑わせる所見は認めなかった.症例1,症例2ともにTHP-COP-E療法としてそれぞれ4クール,3クールで完全寛解となった.高齢者で心毒性が危惧される症例に対して,THPはADMの代替として比較的安心して使用可能な薬剤と思われた.また,etoposideの少量持続経口投与は,代表的なCHOP療法またはTHP-COP療法にて効果の乏しい場合には,次に選択してみるべき治療法であるが,その投与量や投与方法については,今後症例を重ねて十分検討する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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