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症例報告
文献概要
41歳,女性.初発症状として著明な瘙痒とともに丘疹ないし紅斑および四肢ないし体幹に広範に分布し一部掻破痕に一致した角化性丘疹が認められ,その1カ月後に関節痛,筋痛が出現した.右上腕三頭筋の生検で著明な細胞浸潤と筋線維の変性像がみられ,さらに定型的な筋原性筋電図所見,筋原性酵素の著明な上昇が見られたことより多発性筋炎と診断した.角化性丘疹は,組織学的に角栓形成,軽度の錯角化,表皮肥厚を認め,毛孔性紅色粃糠疹(pityriasis rubra pilaris,PRP)様であった.皮疹は組織学的に毛孔性紅色粃糠疹と矛盾しなかったが,筋原性酵素の推移と皮疹の出没とに関連がみられた点より多発性筋炎に伴った皮疹と考えた.
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