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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻7号

1993年06月発行

文献概要

症例報告

尋常性乾癬に合併した類天疱瘡の1例

著者: 元木良和1 滝口好彦1 金子史男1 吉田弘昭2 鈴木重行3

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室 2寿泉堂綜合病院皮膚科 3福島県立会津総合病院皮膚科

ページ範囲:P.579 - P.582

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 尋常性乾癬に類天疱瘡を合併した71歳男性例を報告した.15年来尋常性乾癬として治療を受けていたが,明らかな誘因なく浮腫性紅斑と水疱が急速に出現,拡大した.角化性紅斑の組織像では乾癬に一致する所見がみられ,水疱部の生検像では表皮下水庖が認められた.角化性紅斑および水疱部ではいずれも免疫組織学的に基底膜部にIgGとC3の線状沈着がみられた.さらに,水疱液からはγ—インターフェロン,tumor necrosis factor—αが検出された.両疾患の合併機序は未だ不明であるが,これらの水疱液中より検出されたサイトカインは細胞性免疫反応の産物であることから,両疾患に共通する何らかの細胞性免疫機序が想定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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