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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻7号

1993年06月発行

症例報告

先天性大腿骨短縮症および有棘細胞癌を合併した劣性栄養障害型表皮水疱症の1例

著者: 池嶋文子1 池田志斈1 森岡眞治1 小川秀興1 桜庭景植2

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室 2順天堂大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.583 - P.588

文献概要

 症例は44歳男性.生下時より,軽微な外力により水疱,びらん形成および,その後の瘢痕形成を繰り返し,10歳頃よりは手指の棍棒状癒着を来した.また左下肢の著明な短縮が生下時より認められた.水疱は電顕的に基底膜下に認められた.下肢X線像では大腿骨の短縮・変形が観察された.以上より,本症例を劣性栄養障害型表皮水疱症に大腿骨短縮症を合併したものと診断した.また経過中,右踵部に有棘細胞癌の発生がみられた.先天性表皮水疱症に他の先天異常を合併した症例は比較的少なく,また骨の先天奇形のうちでも非常にまれな疾患である大腿骨短縮症を合併した本症はこれまで報告がない.そこで,先天性表皮水疱症と他の先天異常の合併,および有棘細胞癌の合併について,若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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