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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻8号

1993年07月発行

文献概要

原著

斑状アミロイドーシスを伴った全身性アミロイドーシス—斑状アミロイドーシス病変部における抗ケラチン陽性アミロイド物質と抗アミロイドκ抗体陽性アミロイド物質の分布について

著者: 柳原誠1 南波正1 中谷明美1 森俊二1 清水梅次2 北沢克明2 星井嘉信3 内野文弥3

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室 2岐阜大学医学部眼科学教室 3山口大学医学部第一病理学教室

ページ範囲:P.641 - P.645

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 67歳,女性.57歳頃より左眼の視力障害,64歳には両下肢および両手の知覚鈍麻,および不整脈,65歳より右眼の視力障害をきたした.皮膚科学的に全身性アミロイドーシスを思わせる皮膚所見なく,組織学的に皮膚および直腸の血管周囲にアミロイドの沈着を認め,免疫組織学的にL鎖κ由来の原発性全身性アミロイドーシスと診断した.上背部には皮膚原発性アミロイドーシス(斑状アミロイドーシス)があり,この部位では表皮直下に存在するアミロイドは抗ケラチン抗体陽性,血管周囲および網状層から皮下組織に沈着したアミロイドは抗アミロイドκ抗体陽性,そして乳頭下の紡錘形のアミロイド(弾性線維に沈着したアミロイド)は双方の抗体に陽性であった.紡錘形アミロイドには斑状アミロイドーシス由来および全身性アミロイドーシス由来のアミロイドが沈着している可能性を考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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