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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻8号

1993年07月発行

原著

Trichophyton violaceumによる体部白癬—自験夫婦例と本邦における報告例の検討

著者: 奥田長三郎1 伊藤雅章2

所属機関: 1済生会三条病院皮膚科 2新潟大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.647 - P.651

文献概要

 症例1:77歳男,顔面と頸部の拇指頭大までの紅斑.症例2:76歳女,第1例の妻,5年前にTrichophyton(T.)violaceumによる体部白癬の既往あり,夫の発症から1カ月後に顔面,頭部,項部,四肢に小指頭大までの紅斑が出現.2例ともステロイド外用歴があり,鱗屑からT.violaceumが分離され,抗真菌剤の外用で皮疹の消退をみた.その後,症例2の顔面に小指頭大の紅斑の再発,前頭部にblack dot ringwormの新生がみられた.両方から同じ菌を分離.症例1は,T.violaceumによる体部白癬の成人男性例であることと,夫婦間感染と考えられる点で,稀な症例と思われる.症例2を含む,T.violaceuln(glabrum)による,頭部白癬を伴う体部白癬の本邦23例(1969年〜1989年)の臨床的特徴を検討すると,通常12歳以下と60歳以上の女性の露出部位に小病巣が多発することといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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