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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻8号

1993年07月発行

今月の症例

EBウイルス初感染によるGianotti-Crosti症候群

著者: 森嶋智津子1 山口全一1 千野一夫1 森嶋隆文1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.657 - P.661

文献概要

 EBウイルス(EBVと略記)初感染によるGianotti-Crosti症候群の1歳2カ月女児例を報告した.臨床統計の結果,本病型の特徴は,1)好発年齢は6カ月から1歳台(93%),2)前駆症状として37.5度以上の発熱や上気道症状がみられ,3)皮疹の性状はGianotti病に類似するが体幹や耳介に皮疹の出現する頻度が高く(57%),皮疹の持続時間は2〜3週,4)リンパ節腫大は小児の伝染性単核症と異なり,Gianotti病と同様に頸部,腋窩や鼠径部で,その程度は軽度,5)肝炎の頻度は80%で,ピークは病初期で程度は軽く,6)白血球増多,とくにリンパ球増多と10%以上の異型リンパ球の出現が50%にみられたことなどである.以上の結果から,3歳以下のEBV初感染では皮膚症状がGianotti病類似の病像を呈し,それ以降の年齢では全身症状を伴う伝染性単核症の特徴を呈するようになると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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