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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻8号

1993年07月発行

症例報告

中心静脈栄養施行中のクローン病患者に生じた亜鉛欠乏症候群

著者: 佐伯圭介1 西本正賢1 山本信二1 沼原利彦1 佐々木和江1 高岩堯1

所属機関: 1香川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.675 - P.677

文献概要

 クローン病にて絶食,中心静脈栄養(IVH)を開始したところ,亜鉛含有輸液剤を使用していたにもかかわらず,約1カ月後に亜鉛欠乏症の皮疹を生じた30歳の女性例を報告した.本症例はIVH刺入部周辺に瘙痒を伴う皮疹が出現し,やがて顔面,間擦部を経て徐々に全身に拡大した.肘窩,仙骨部,臀部,恥丘部には,中央部がびらん化した小豆大までの紅色の結節がみられた。硫酸亜鉛300mg/日の経口投与1週間ほどで劇的な皮疹の改善をみた.IVHを施行するにあたり本症を予防するためには,基礎疾患を考慮したうえで亜鉛投与量を増量する必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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