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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻8号

1993年07月発行

文献概要

症例報告

くる病に合併した弾性線維性仮性黄色腫の1例

著者: 原田洋至1 鈴木正夫1 金子史男1 橋本憲樹2 田沼悟3

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室 2公立藤田総合病院皮膚科 3田沼小児クリニック

ページ範囲:P.679 - P.682

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 13歳,女性.常染色体性劣性遺伝1型の弾性線維性仮性黄色腫(pseudoxan—thoma elasticum;PXE)で,眼底にangioid streaks,両側伝音性難聴および全身血管の狭窄傾向を認めた症例である.2歳時より,遺伝性低リン血症性ビタミンD抵抗性くる病(hereditary vitamin D resistant rickets with hypophosphatemia;HVDRR)の診断で,活1生型ビタミンDおよびリン(P)を投与されていた.PXEの発症に関しては,本例では両親が血縁結婚のいとこ同士であり,また兄弟2人も同様のHVDRRであるという家族歴などから,患者の持つ遺伝的素因に基づくものと考えられた.しかし全身的な合併症の進行が早く,現在まで投与された活性型ビタミンDおよびPが諸臓器に対するカルシウム(Ca)沈着を助長し,病状の進行を促進した可能性が疑われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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