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治療
10%尿素水療法が奏効した真性黒毛舌
著者: 本多章乃1 森嶋隆文1
所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.717 - P.720
文献購入ページに移動 10%尿素水療法が奏効した真性黒毛舌の2例を報告した.不全角化を伴う角質増殖による毛様物は,長いものでは2cmに及んだ.黒色色素の産生菌として重視されているBacillus subtilis varietas nigerは培養同定されなかった.2症例とも発症前の数年間,抗生剤の内服歴はなく,黒毛舌を誘発するような基礎疾患も認められなかった.両例とも低亜鉛血症を示し,うち1例は味覚異常を伴っていた.10%尿素水療法で1〜3週間後,黒褐色の着色,毛様物ともに消退した.着色とともに有毛性の変化を呈する真性黒毛舌に対して,10%尿素水療法は極めて有効であると思われた.
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