icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻9号

1993年08月発行

文献概要

原著

OKT3モノクローナル抗体による治療を試みた輸血後GVHD

著者: 大江麻里子1 小川保子1 川島真1 大野晃裕2 小池太郎3 高木厚4

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学腎内科 3東京女子医科大学腎外科 4東京女子医科大学循環器内科

ページ範囲:P.737 - P.744

文献購入ページに移動
 OKT3モノクローナル抗体を投与した輸血後GVHDの3例を報告した.57歳男.腎不全にて透析中,輸血を頻回に施行.発熱,下痢,汎血球減少,肝機能障害出現.OKT3,ステロイドパルス療法,G-CSFの投与により,白血球,網状赤血球の増加は認めたが,呼吸不全により死亡.39歳女.生体腎移植の術前に貧血のため輸血.発熱,紅斑,白血球減少,肝機能障害出現.ステロイドパルス療法,OKT3を投与するも敗血症のため死亡.80歳男.急性心筋梗塞の治療の際,輸血を施行.発熱,紅斑,びらん,白血球減少出現.ステロイドパルス療法,OKT3を投与するも腎不全のため死亡.輸血後GVHDは,その予防法の確立が最も重要であるが,現状では完壁な予防法が講じられているとは言い難い.一日も早い予防対策の確立が望まれる一方,本症の治療法の一つとしてのOKT3モノクローナル抗体の意義を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?