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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻9号

1993年08月発行

文献概要

症例報告

陰門部に生じたWarty Dyskeratoma

著者: 木村俊次1

所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科

ページ範囲:P.759 - P.762

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 59歳家婦,右大陰唇に11年前から生じたwarty dyskeratoma(WD)の1例を報告した.臨床的には米粒大の陥凹性病変で,辺縁部に狭い輪状の溝と白毛1本をみる.触痛あり,組織学的に病変部表皮は肥厚するとともに,中央部と辺縁の角質層裂隙部・毛嚢漏斗部とに棘融解性の異常角化と基底層直上からの裂隙形成とをみる.メラニン色素は欠如し,PAS陽性基底膜の肥厚を認める.病変部表皮真下にはリンパ球様細胞と形質細胞とが帯状浸潤を示す.WDには毛嚢との関連が明らかでないものや口腔内発生例もあり,男女外陰部発生例についてもより症状的な各称が用いられる傾向にあるが,今回の症例はWDとして問題ないと思われる.陰門部発生例としては本邦第2例目である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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