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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻9号

1993年08月発行

文献概要

症例報告

皮膚症状を伴った透析アミロイドーシスの1例

著者: 土肥庄二郎1 松本和彦1 河内繁雄1 斎田俊明1 荒井みゆき2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2信州大学医学部老年内科

ページ範囲:P.785 - P.788

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 50歳,男性.慢性腎不全のため17年来人工透析中.8年前より額・四肢に皮下結節および小丘疹が生じ徐々に増大した.初診時,額部に24×23mm大,左膝蓋上部に30×23mm大の常色不整形皮下結節を触知した.さらに左前腕シャント部周囲では帽針頭大で光沢を有する常色小丘疹が多発していた.いずれも自覚症状は認めなかった.病理組織学的には,皮下結節部では真皮下層から皮下脂肪織にかけて塊状のアミロイド沈着が証明された.他方,小丘疹部ではアミロイド沈着は真皮乳頭層に限局していた.免疫組織化学的検索では,両アミロイド沈着部位に一致して抗β2ミクログロブリン抗体にて陽性反応が認められたが,抗κ鎖抗体,抗λ鎖抗体,抗ケラチン単クローン抗体はすべて陰性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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