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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科47巻9号

1993年08月発行

症例報告

尿崩症を合併したNon-Langerhans Cell Histiocytosisの1例

著者: 野村中夫1 竹内常道1 本田まりこ1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.797 - P.800

文献概要

 38歳,女性.顔面,頸部に融合傾向のない半米粒大の黄褐色斑ないし丘疹が無数に散在したnon-Langerhans cell histiocytosisの1例を報告した.口腔内病変,関節痛はなかった.組織学的には,真皮内における組織球のびまん性浸潤であり,古い病変部では多数の泡沫細胞とツートン型巨細胞,一部にリンパ球と好酸球の浸潤,赤血球の血管外漏出を認めた.免疫組織化学では,S−100(−),CD1(−),lysozyme(+),電顕においてLangerhans顆粒はみられなかった.発症後1年4カ月して不全型の中枢性尿崩症が出現した.現在,尿崩症の進行はなく,皮疹に若干の消退傾向がみられている.臨床上,benign cephalic histiocytosisに似るが,組織学的に異なり,既存の疾患名に当てはまらない症例と考えた.また,従来のhistiocytosis Xあるいはnon-X histiocytosisに分類する方法は混乱を招くため,今後は,The histiocyte soci—etyによる分類を用いるべきものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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