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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻1号

1994年01月発行

原著

各種紅斑の血流量と“赤さ”の程度(皮膚血液量)の関係—機器による定量的測定

著者: 白井志郎1 滝脇弘嗣1 高野浩章1 荒瀬誠治1

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.19 - P.23

文献概要

 我々が視覚的にとらえている皮疹の“赤さ”と皮膚血液量の関係を定量的に調べるために,UVB紅斑,DNCB皮膚炎,ラウリル硫酸ナトリウムによる刺激性皮膚炎,乾癬,温熱による紅斑,鬱血状態および老人性血管腫上で両者を同時に計測した.“赤さ”(血液量)の定量にはビデオマイクロスコープ画像の緑バンド平均輝度から算出した吸光度類似指数,血流量の定量にはレーザー血流計を用いた.その結果,炎症性紅斑での両者の関係はほぼ同軸上に並ぶ正相関を示したが,乾癬では相対的に血液量の増加が大であった.これらに比し,温熱紅斑では血流量の増加が,血管腫では逆に血液量の増加が著明であり,鬱血では血液量の増加に反して血流量はむしろ低下し,散布図では前記炎症群と異なる領域を占めた.したがって,“赤さ”と血流量は必ずしも同一の次元にあるとはいえず,ことに成因の異なる皮疹ではそれぞれで異なった血流動態を示すと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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