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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻1号

1994年01月発行

今月の症例

Nocardia brasiliensisによる皮膚ノカルジア症の2例

著者: 西尾達己1 笹井陽一郎1 松元二郎2 加治英雅2 永田正和3

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科教室 2聖マリア病院皮膚科 3永田皮膚科

ページ範囲:P.37 - P.41

文献概要

 症例1は31歳,女性.左肘頭部の菌腫で,外傷後9カ月で発症し診断のつかないまま軽快再発を繰り返していた.組織学的には真皮内の膿瘍中に好塩基性の顆粒がみられ,グラム染色で顆粒の周辺に微細な菌糸を認めた.診断確定後も塩酸ミノサイクリン,オフロキサシン,ST合剤などの治療に抵抗し再発を繰り返したが,最終的には切除し約2年間で治癒した.症例2は76歳,男性.右手背から前腕にかけてのリンパ管型で,外傷後1カ月で発症し,塩酸ミノサイクリンの内服4週間で治癒した.どちらも原因菌はNocardia brasiliensisであった.今後本症の治療にはin vitroで有効性の確かめられたトスフロキサシンなども使用されるべきと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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