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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻1号

1994年01月発行

症例報告

壊死性筋膜炎の1例

著者: 吉川康之1 長谷川隆哉1 佐藤守弘1 元木良和1 有賀毅二1 丹治修1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.71 - P.75

文献概要

 基礎疾患を有さない成人に発症した壊死性筋膜炎の重症例を報告した.症例は61歳男性.何ら原因なく左大腿部に激しい疼痛を伴う紅斑が出現し,マクロライド系抗生剤に反応せず,39.8℃の発熱が出現した.皮疹は急激に拡大し,左大腿のほぼ全周性に黒色調の壊死と水疱がみられ,周囲には広範囲に潮紅を伴つた腫脹が認められた.生検にて皮下組織や筋膜の壊死を認め,壊死組織の培養からStreptococcusPyogenesが同定された.心房細動と急激な血小板数の減少を併発したため,輸液,ペニシリン系の抗生剤(ピペラシリン)の投与,壊死部のsurgical debridementとともにジギタリス剤,メシル酸ガベキサートの投与を行い,約2週間で全身症状と局所症状は改善し,約1カ月後にmesh skin graftingを施行し,創はほぼ閉鎖した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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