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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻10号

1994年09月発行

今月の症例

妊娠性疱疹の1例

著者: 青井絵美1 中村遊香1 渡辺晋一1 高橋久1 松浦潔2 山本樹生2 舟本規昭3 渡辺匡子4 橋本隆4

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室 2帝京大学医学部産婦人科学教室 3帝京大学医学部小児科学教室 4慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.855 - P.858

文献概要

要約 妊娠性疱疹の21歳女性について報告した.妊娠24週頃より上肢に発赤が出現.その後発赤は水疱を伴う瘙痒性浮腫性紅斑となり,四肢を中心に皮疹の拡大がみられた.妊娠34週に妊娠中毒症,子宮内胎児発育遅延の疑いで当院産婦人科に入院し,皮疹を主訴に当科を受診した.組織学的には多数の好酸球浸潤を伴った表皮下水疱が観察された.蛍光抗体直接法では基底膜部にC3の沈着,補体法ではHG因子を認めた.患者血清と正常ヒト表皮抽出物を用いた免疫ブロット法では,患者血清は230kDBP抗原蛋白と反応がみられた.また,患者のHLAを検索したところ,DR2,DRW6,夫にDR2が認められた.妊娠37週で出産,新生児にも出生数時間後より顔面に発赤を伴う水疱等が出現したが,約7日後には消退した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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