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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻10号

1994年09月発行

症例報告

伝染性紅斑罹患妊婦に合併した胎児水腫の1例

著者: 野崎重之1 飯島正文1 藤澤龍一1

所属機関: 1昭和大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.863 - P.865

文献概要

 伝染性紅斑妊婦に合併し急速な転帰をとった胎児水腫の1例を報告した.症例は29歳,女性.夫に伝染性紅斑様症状が先行したため家族内感染と考えられた.前駆症状として微熱が出現した後,顔面と四肢に紅斑を生じたため妊娠10週時に来院した.血清のヒトパルボウイルスB19IgM抗体が3.77と上昇していたため,本例を妊婦に生じた伝染性紅斑と診断した.妊娠12週2日より産婦人科で胎児への合併症につき経過観察を開始した.妊娠18週0日超音波検査にて胎児水腫を認めなかったが,2日後の超音波検査時に腹水および心嚢水を認め,その翌日胎児心拍運動の停止を超音波検査で確認するに至った.本例はパルボウイルスの胎内感染により急速に子宮内胎児死亡に至ったが,パルボウイルスの感染像が伝染性紅斑のみでないことを知る上で貴重な症例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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