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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻10号

1994年09月発行

文献概要

症例報告

輸血後に発症したgraft-versus-host diseaseの1例

著者: 秋元幸子1 石原弘2 伊藤秀明3

所属機関: 1前橋赤十字病院皮膚科 2前橋赤十字病院消化器科 3前橋赤十字病院病理部

ページ範囲:P.875 - P.878

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 71歳,男性.十二指腸潰瘍からの下血に対し保存血800mlを輸血し,12日目に発熱,紅斑が出現,汎血球減少,肝障害,消化器症状が続発した.骨髄は著しい低形成像を示し,ステロイド,G-CSFを投与するも多臓器不全にて輸血後46日目に死亡した.紅斑部の組織所見は骨髄移植後graft-versus-host disease(GVHD)の組織像に一致し,臨床経過,皮膚病理組織像より輸血後GVHDと診断した.本症例は日常診療でごく一般に行われている輸血療法でもGVHDが生じうることを示したものであり,通常の輸血においても本症発症の予防的処置を行う必要があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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