icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻10号

1994年09月発行

文献概要

症例報告

Epithelial membrane antigen陽性所見を示したエクリン汗器官腫瘍の2例

著者: 徳橋至13 鈴木秀美1 橋爪鈴男1 溝口昌子1 阿部光文2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室 2聖マリアンナ医科大学第1病理学教室 3聖マリアンナ医科大学東横病院皮膚科

ページ範囲:P.919 - P.922

文献購入ページに移動
 症例1:64歳男.4カ月前より左足背部の小丘疹に気づく.組織では表皮から連続して真皮上層にわたり分岐吻合した腫瘍塊でいわゆるporoid cellから構成されていた.Eccrine poroma(Pinkus型)と診断.症例2:46歳女.10年前より右下肢の淡紅色,疣贅状局面に気づく.組織では表皮内に多発巣状,小型で均一ないわゆるporoid cellの増殖を認める.Hidroacanthoma simplex(Smith & Coburn型)と診断した.両症例に対して抗epithelial membrane antigen(EMA)抗体による免疫組織化学的染色を行い,いわゆるporoid cellと管腔を形成するcuticular cellに陽性像を確認した.いわゆるporoid cellが増殖する腫瘍(poroid neoplasm)に対してEMAの局在を検索することが診断の一助となることを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?