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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻11号

1994年10月発行

症例報告

Hunter症候群の1例

著者: 馬場直子12 斎藤胤曠2 田中祐吉3 佐々木佳郎3

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室 2神奈川県立こども医療センター皮膚科 3神奈川県立こども医療センター病理科

ページ範囲:P.981 - P.984

文献概要

 7歳男児の,典型的な皮膚症状を有するHunter症候群の1例を報告した.2歳頃から精神運動発達遅滞,特有な顔貌,関節の運動制限などの臨床症状が出現,培養皮膚線維芽細胞におけるiduronate sulfataseの欠損,尿中dermatan sulfateとheparan sulfateの排泄増加が確認されMPS IIと確定診断された.3歳頃から全身皮膚が硬く,弾力性に乏しかったが,次第に四肢近位伸側に,米粒大の白色丘疹が目立ち,徐々に増加.その組織所見では,真皮上層から皮下脂肪織にかけての細胞内・外に,コロイド鉄,アルシアンブルー,PAS染色にて陽性を示す多量のムチンの沈着が認められた.電顕にて,線維芽細胞や浸潤リンパ球の胞体内に多数のinclusion bodyが認められ,ムコ多糖の沈着と考えられた.本症における病因,治療について若干の考察をつけ加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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