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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻11号

1994年10月発行

症例報告

環状肉芽腫様病変を伴った皮膚腺病の1例

著者: 岩谷麻子1 三橋善比古1 橋本功1 福士主計2

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2弘前大学医学部細菌学教室

ページ範囲:P.989 - P.992

文献概要

 80歳女性の,両手掌および手背に環状肉芽腫様病変を伴った皮膚腺病の1例を報告した.初診時,左側頸部に暗赤色結節が多発し,一部は潰瘍化しており,両手掌・手背には,浸潤を触れる不規則な紅斑と丘疹がみられた.側頸部結節は,組織学的に真皮深層の乾酪壊死とLanghans型巨細胞を伴う類上皮細胞肉芽腫であり,結核菌培養陽性で,皮膚腺病と診断した.手の病変は,組織学的に真皮上層に膠原線維の限局性の変性像を認め,周囲に類上皮細胞とリンパ球の浸潤があり,結核菌培養陰性であった.手の病変は紅斑型の環状肉芽腫とも考えられるが,皮膚腺病に伴っており,抗結核療法が有効であったことから,結核疹の一種と位置づけた.環状肉芽腫型組織反応の発症機序の一つとして結核菌に対する遅延型アレルギーの関与が推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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