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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻11号

1994年10月発行

症例報告

橋本病を合併した慢性播種状円板状エリテマトーデスの1例

著者: 高崎修旨1 岡本壽男1 山口康平2

所属機関: 1大分県立病院皮膚科 2大分県立病院第1内科部

ページ範囲:P.997 - P.999

文献概要

 45歳,女性.頬部の難治性の糜爛を伴う紅斑と趾腹,足縁の角化を伴う紅斑を主訴として来院.頬部皮疹の生検において,表皮の菲薄化および基底細胞の液状変性と,真皮上層のメラノファージ,真皮上層血管周囲および付属器周囲のリンパ球浸潤が認められた.甲状腺腫が触知され,T3 71ng/dl,T4 2.9μg/dlと低値,TSHは127.3μU/mlと高値を示した.抗サイログロブリン抗体1600倍,抗マイクロゾーム抗体100倍と甲状腺自己抗体の存在が認められた.抗核抗体は640倍,一方,抗RNP抗体,抗Scl 70抗体,LE細胞いずれも陰性であった.以上の所見から,橋本病を合併した慢性円板状エリテマトーデスと診断した.安静と非ステロイド系消炎剤の外用およびヨード制限食のみで経過観察したところ,皮膚は著明に軽快し,T3,T4,TSHの値も正常化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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