文献詳細
症例報告
文献概要
46歳,女性の前頸部に20年来集簇して存在した黄白色小結節が,突如として一部に紅色化を生じてきた.組織学的に真皮中層〜深層に位置する上皮性嚢腫を認め,内腔にケラチン様物質とともに多数の軟毛を容れ,eruptive vellus hair cystsと診断された.なお,嚢腫壁の一部には鋸歯状の角化を認め,嚢腫周辺に起毛平滑筋や毛包・脂腺を認めた.紅色化した病変では軟毛が真皮内にも穿通し,嚢腫壁の破壊と肉芽腫様炎症反応が見られ,自然退縮の兆候と考えられた.
掲載誌情報